「小砂焼」の美しさは、地元で採れる良質な粘土と、伝統の釉薬(ゆうやく)の調和から生まれます。素朴で力強く、どこか懐かしい。小砂焼は、時代とともに多様な色や形を生み出し、私たちの暮らしに彩りを添えてきました。
黄金色の結晶はもちろん、日常に馴染む落ち着いた風合いまで、その一客一客に異なる表情が宿っています。ここでは、土が形を成し、多彩な色が吹き込まれていくまでの「ものづくり」の道のりを辿ります。

ナビゲーター
てんてん

ここはボクが案内するワン!!

土づくり

【採集】
小砂原土を採集します。ですが、この状態だと、まだまだ粒度が粗く砂利や大きめの岩などが混ざっていて土には適しません。
【粉砕工程】
ポットミルという機械に採集した小砂原土と小砂地区の綺麗な地下水を入れ、玉石(硬い丸い石)を入れてひたすら混ぜます。回転することで、中で玉石と砂利とがぶつかったりすり潰されたりして細かくなります
【水簸(すいひ)工程】
細かくなって泥状になった土(これを「泥漿(でいしょう)」と呼びます。
を一旦、枡に貯めます。この過程で、篩を通したり、重たい砂を沈殿させたりして、純度の高い綺麗な泥だけを取り出せる状態にします。

小砂の山から採れた土を、水と時間に委ねて磨き上げる『水簸』の作業。このひと手間が、190年変わらぬ品質を支えています。
【脱水工程】
水簸(すいひ)を経て純度の高くなった泥漿(でいしょう)をフィルタープレスという布を重ねたような機械の間に流し込み、強い圧力をかけて水分だけを絞り出します。

素地土の完成

脱水後の状態
ナビゲーター
てんてん

素地土が完成だワン!
いわゆる、焼き物の原料的な立ち位置だワン
フリースビーみたいで楽しくなるワン!

釉薬づくり

【粉砕工程】
釉薬も土と同じで、釉薬専用のポットミルに玉石と地下水を入れて細かくします。上に乗っているのが玉石です。

釉薬の完成

器づくり

【土練り工程①】
土練り工程は、脱水した粘土から空気を抜き、密度を高める工程です。脱水したばかりの板状の粘土は、まだ水分が不均一だったり、中に空気が入っていたりするため、少し細かくして、専用の機械に入れます。
【土練り工程②】
真空土練機(しんくうどれんき)という機械で混練します。空気が残っていると、焼成中に膨張して割れたり、成形中に形が崩れたりする原因になるため、粘土の中にある微細な空気(気泡)を真空状態で抜き取ります。

土の完成

真空土練機から出てくるとこのような形に。
【成形工程】
出来上がった土を用いて、器をつくる工程です。
【乾燥工程】
成形した器を数日から数週間、じっくりと自然乾燥させます。急がず水分を抜くことで、焼成時の破裂を防ぎ、歪みのない美しい形へと定着させます。
【素焼き工程】
完全に乾燥した器を焼くことで、不要な水分を飛ばし、適度な硬さと吸水性を持たせます。これによって、小砂焼の美しい発色となる「釉薬」がしっかりと定着するようになります。
【施釉(せゆう)工程】
素焼きによって「スポンジ」のように水分を吸いやすくなった器に、液体状の釉薬(ゆうやく)を纏わせる工程です。(写真差し替える)
【乾燥工程】
釉薬を定着させ、本焼きに備えます。
【本焼き工程】
陶磁器制作の最終工程です。炎の力で土と釉薬を一体化させ、日常使いに耐えうる強度と美しい光沢を引き出します。窯の中のわずかな環境変化が結晶の出方を左右するため、職人の長年の経験と勘が試される瞬間です。

器の完成

ナビゲーター
てんてん

とってもいっぱい工程があるんだワン⋯。
これらの工程を一つ一つ丁寧に行うから、割れにくく使い勝手の良い綺麗な小砂焼ができるんだワン。

こんなに違う、「前(まえ)」と「後(あと)」

左:素焼き前 右:素焼き後
左:施釉前 右:施釉後
左:本焼き前 右:本焼き後